親の大恩⑤ 自分よりも子供を優先してくださる親の愛
親の大恩十種の5つ目が、
⑤ 廻乾就湿の恩(えかんしゅうしつのおん)
母親は子供を乾いたところに廻し、
自らは湿ったところに就いて寝る、
という意味ですが、
子供がおねしょをした時のことです。
寝小便をした子が、
隣に寝ている母親を起こせば、
親は子供の下着を替えさせ、
それまで自分の寝ていた乾いた場所へ子供を回し、
自分は、子供がおねしょしたばかりの湿ったところへ、
新聞紙をあてたり、他のものを重ねて、
その上に寝るのです。
母に着替えさせてもらい、きれいになると、
また安心して気持ちよく子供は寝ることができるのです。
これはどんな人でも経験があるのではないでしょうか。
子供のころ、
絶対におねしょしない!と、
トイレにも行って、水も夜のまず寝たはずなのに、
夢の中でトイレが出てくる。
確かめて夢でないと思ってだしたら、
生温かい感覚に眼がさめる・・・・
しまった・・・
と思ったらもう手遅れです。
ところが、
そんな私を仕方ないねと叱らず、
着替えさせてくれたことを思い出します。
お釈迦様はこれを、
『父母恩重経』にこうおっしゃいます。
「水の如き霜の夜にも、氷の如き雪の暁にも、
乾ける処に子を廻し、湿りし処に己臥す」
子供はきれいなところで寝かしてやり、
自分は汚く冷たいところで寝る。
私たちが、今こうして快適に過ごせるのは、
常に、子供を優先に育ててくださった
廻乾就湿の恩があればこそです。