親の大恩⑦ 子供には美味しいものをたべさせてやりたい
親の大恩十種の7つ目が、
⑦ 嚥苦吐甘の恩(えんくとかんのおん)
『父母恩重経』には、
「食味を口に含みて、
これを子に哺わしむるにあたりては、
苦き物は自ら嚥み、甘き物は吐きて与う」
と言われます。
自分は食べなくとも、子を飢えさせる親はない。
おいしいものはみな子供に与え、
自分はまずいもの、残り物を片付ける母の姿を思い出します。
子供の成長を願う母親が、
魚の身ばかりほぐし子供に与え、
自らは骨をしゃぶって食事するのを見て、
何も知らない子供は尋ねます。
「お母ちゃんはお魚の骨が好きなの?」
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「父母外に出でて他の座席に往き、
美味珍味を得ることあらば、
自らこれを食べるに忍びず、
懐に収めて持ち帰り、呼び来りて子に与う」
外出先でおいしそうな菓子や果物が出されると、
自らはそれを食べず、懐に収めて持ち帰り、
子供に分け与える。
子供が食べる姿を見て満足する。
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「己が好美の衣服は皆子に与えて着せしめ、
己はすなわち古き衣、破れたる服を繕う」
継ぎの当たった着物を子供に着せることはないのに、
洗濯物の中にやぶれた父のシャツや色あせたジャンパーやズボンがある。
古着を母が着ていることがある。
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子供が美味しいものを食べて喜んでくれるならばそれでいい。
子供の喜ぶ姿が自分の幸せなのです。
そんな風に親は思ってくれているのです。