働く意味がわからない②
「仕事やだなぁ」
と言うと、
「やりたい仕事をやればいいじゃない!」
と言う人がいます。
もちろん、好きなことでお金が稼げたらそんなに嬉しいことはありませんので、
それを実現されている方は本当に努力なさっているのだと尊敬します。
しかし、そもそもやりたい仕事がない人はどうしたらよいのでしょう。
仕事は仕事と割り切って、自分の趣味や好きなことに時間をそそぐ。
私はこのタイプで、休みの日や仕事が終わった後の時間は、
好きなことをやろうと、いろいろ挑戦していました。
読書、映画、美術館めぐり、山登り、ダンス、ヨガ、スノボ、ボルダリング、
自己啓発系のセミナーに参加したり、哲学の本を読みあさったり、
とにかく人と会ってたくさん話を聞いたり。
最初は楽しかったのですが、結局何をやっても長続きせず、
想像していたほどの喜びもなく、
何をやっても満足しない自分に、だんだんと嫌気がさしてきました。
人が集まるところにいくと、逆に孤独を感じるようになり、家に帰ってから、
「私、何しにいったんだろう。」
と涙が出てくるようになりました。
「きっと自分が求めているものは、日本にはない」
そう思った私は、ひとり旅に出ようと決めました。
旅先に選ぶ国は、アジアや中東・南米など発展途上国と呼ばれる国がほとんどでした。
特にこだわっていたわけではなく、なぜか魅かれるのはそんな国ばかりで、
普通の観光客が訪れるようなヨーロッパやハワイや先進国には全く興味がわきませんでした。
平和ぼけしていた私は刺激を求めていたし、
日本が忘れてしまった何かを求めていたのかもしれないし、
「途上国を一人で旅してきた」
ということで、強い自分になりたかったのかもしれません。
人にすごいね!と認められたかったのかもしれません。
20カ国以上を旅してみた結論。
世界に私の求めている答えはありませんでした。
つまり、
「働く意味ってなに?」
「生きる意味ってなに?」
の答えです。
でも、旅に出て本当に良かったと思います。
なぜなら旅に出なければ、日本に帰ってきて仏教に出会うこともなかったからです。
私がずっと求めていたものが、まさか仏教に説かれているとは思いもしませんでした。
人類がずっと長い間、求めても求めてもわからなかった答えを、
すでに2600年も前からお釈迦さまが答えを出されていたのです。